CEM 値の変化とサーカディアンリズム(体内時計)の影響を確認

doc-30  航空管制業務等のシフト勤務の業務作業負担を音声から算出するCEM値で評価しようとすれば,予めCEM 値が体内時計から受ける影響(サーカディアンリズムとの相関関係)を明らかにしておくことが必要です。そこで, CEM値にサーカディアンリズムが反映されるか否かを確認するために 1日を 21 時間とした生活(14時間起きて7時間の睡眠を取ることを繰返す生活)を8日間継続する実験を行いました。実験は斑尾所在 の右のロッジを借りて全ての窓を塞いで、遮光しテレビや時計等の時刻の分かるものも全て撤去して,外界と遮断した環境を作り,被験者4 人が実験者8人と閉じ篭って行いました。起きている14 時間の聞には1時間毎に航空管制業務の作業要素(ディスプレイの監視,音声による問題の呈示に対する音声での応答,ディスプレイ上の目標の探索)を取入れ た作業を行い作業中の発話を収録しました。他の音声収録実験と同様に,作業の前後には朗読音声を集録しまた臨界フリッカー周波数,心拍数,血圧等を計測し 質問紙による調査を行い,主観的な眠気と疲労感を VAS (Visual Analog Scale )により記録しました。doc-31

上図は作業パフォーマンス(E.A.P.: Easy Arithmetic Performance)と作業の前後に集録した朗読音声によるCEM_Reading値(有効被験者数は4)の平均値,またE.A.P. とその作業発 話によるCEM_Callout値(有効被験者数は3)の平均値を世界時間に対してプロットしたもの です。 E.A.P. の変化のパターンは,明け方とお昼過ぎに,また深夜に向かつて低下しておりサーカディアンリズムと良く似た変化を示しており, CEM_Reading 値の変化の傾向と CEM_Callout値の変化の傾向も E.A.P. の変化に似たパターンを示しています。 特に「いろは歌」 のCEM_reading 値の変化と E.A.P. の変化との相関係数は0.65 以上であり, CEM値の変化はサーカディアンリズム(体内時計)の影響を受けていると考えられます。